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急性間質性肺炎
きゅうせいかんしつせいはいえん

最終編集日:2026/4/20

概要

肺は、空気の通り道である気道が中心から枝分かれを繰り返しながら末梢へと延びており、その先端には肺胞と呼ばれる、ぶどうの房のような小さな袋がたくさん集まった構造となっています。肺の「間質」とは、この肺胞と肺胞の間の領域や、肺胞と血管の間の領域のことを指します。

間質性肺炎とは、この間質の領域に炎症や障害が起きたために壁が固く厚くなり、酸素を取り込みにくくなって呼吸困難やせきなどの症状をきたす疾患です。間質性肺炎のうち、原因を特定できないものを「特発性間質性肺炎(IIPs)」といいます。

「急性間質性肺炎」は特発性間質性肺炎の一病型で、肺に何も病気がなく比較的健康な人であったとしても、突然起こる可能性がある疾患です。肺が短期間(急性)に広範囲にわたって障害を受け、おもに肺を支える役割を担っている肺の間質(肺胞の壁や肺の支持組織)を中心に炎症を起こします。

原因

間質性肺炎のうち、原因を特定できないものを特発性間質性肺炎といい、急性間質性肺炎はそのひとつです。

症状

発熱や乾いたせき(乾性咳嗽)、呼吸困難などが突然に起こり、これらの症状が数日から数週間で急激に重症化し、呼吸不全へと進行していきます。

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検査・診断

胸部聴診の所見で、パチパチ、バリバリという音が聞かれるのがひとつの特徴です。胸部X線検査で左右の肺の広い範囲に、すりガラス影という淡い陰影や、浸潤影という濃い陰影がみられると急性間質性肺炎の可能性が考慮されます。 診断には胸部CTが有用です。肺からの酸素の取り込みが急激に悪化するため、血中の酸素飽和度が低下します。

治療

診断が確定できなくても、病気の経過から急性間質性肺炎と疑った場合、高用量のステロイド薬を使用する治療、もしくは免疫抑制剤を併用する治療を実施します。しかし、呼吸不全などで死に至ることも多く、治療がむずかしい病気です。

セルフケア

予防

発症を予防することはむずかしい病気ですが、禁煙により発症リスクを低下させられる可能性があります。

また、かぜなどの感染症をきっかけに急性増悪をきたす場合があります。そのため、感染症の予防策をとることが悪化予防につながります。 日頃から手洗い、うがいを徹底し、肺炎やインフルエンザなどのワクチンを受けておきましょう。

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監修

がん研有明病院

次富亮輔