帯状疱疹たいじょうほうしん
最終編集日:2026/3/1
概要
帯状疱疹は、子どものときに感染する水痘帯状疱疹ウイルス(水ぼうそうの原因ウイルス)が原因で発症します。最初の感染時は水痘(水ぼうそう)として発症しますが、ウイルスはその後も体内にひそみ、疲労やストレスによる免疫低下が起こると再活性化して、帯状疱疹を発症します。通常、ウイルスがひそんでいた左右どちらかの神経に沿って、帯状に痛みを伴う赤い斑点や水ぶくれなどが生じます。治療はウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬の内服を通常7日間使用するのが一般的で、多くは3~4週間ほどで治ります。
皮膚症状が治まった後も、神経痛だけが長期間にわたって続く帯状疱疹後神経痛に移行することがあります。
原因
体内に潜在していた水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化して発症する病気です。このウイルスは、最初の感染では水痘を発症させますが、水痘が治った後も脊髄から続く後根神経節に長期間ひそんでおり、通常はからだの抵抗力によって活動が抑制されています。しかし、疲労やストレスが蓄積し、病後、持病の治療薬の服用、加齢などによって抵抗力が弱まると、ウイルスが再び暴れ始め、帯状疱疹を発症させます。
症状
初めにウイルスがひそんでいた神経に沿って、からだの片側に、刺すような痛みが数日間続きます。その後、同じ部分に赤い斑点と水ぶくれが帯状に出現し、皮膚の痛み、違和感などが生じます。痛みが強くなると日常生活に支障をきたす場合もあります。加えて、発熱、リンパ節の腫れ、頭痛といった全身症状がみられることもあります。全身のあちらこちらに水ぶくれができる汎発性帯状疱疹という重症なものは、医療現場において空気感染に注意が必要となります。発症後1週間弱は皮膚症状が悪化する傾向が強く、治るまでには3~4週間ほどかかります。
年齢にかかわらず発症しますが、50歳以上になると発症率が上がるといわれています。
症状は顔面を含め全身どこにでも現れますが、首から上の帯状疱疹は、重症化すると顔面神経麻痺、耳痛、めまい、難聴などを合併するラムゼイ・ハント症候群や視力障害を引き起こすこともあります。腰部や下腹部に発症すると、便秘や排尿困難が現れることもあります。
検査・診断
からだの左右どちらかに帯状に紅斑や水ぶくれが現れる、特徴的な皮膚症状を確認して診断します。
帯状疱疹と似た病気に単純ヘルペスや接触皮膚炎などがあるため、診断を確定させるために水疱内容液を用いた抗原検査や血液検査が行われることもあります。
治療
原因となる水痘・帯状疱疹ウイルスの増殖を抑える、抗ウイルス薬(内服・点滴)を用いた治療が行われます。
一般的な解熱鎮痛剤では痛みが治まらない場合は、ほかの種類の鎮痛薬、医療用麻薬、神経ブロックなどを組み合わせた対処が必要となります。
重症化を防ぐためにも、紅斑や水ぶくれが出現してから72時間以内に治療を始めるのがよいといわれています。早期からの適切な治療は、発疹が消えた後も長期間痛みが続く帯状疱疹後神経痛の予防となります。
セルフケア
予防
発症にはウイルスに対する免疫機能の低下が関係しているため、体内に抱えている水痘帯状疱疹ウイルスを再活性化させないようにすることがいちばんの予防策です。十分な睡眠をとる、適度な運動習慣を保つ、栄養バランスのとれた食生活を送る、ストレスをためず、リラックスできる時間をもつなど、免疫機能を適正に保つ生活を送ることが大切です。
また、帯状疱疹の予防には、ワクチン接種も有効です。ワクチンには生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があり、それぞれ特徴が異なります。対象は、50歳以上の人、あるいは帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の人です。また、2025年度から、65歳の人などへの帯状疱疹ワクチンの予防接種が定期接種になりました。
監修
関東中央病院 皮膚科 部長
鑑慎司