停留精巣ていりゅうせいそう
最終編集日:2026/3/31
概要
男性の陰嚢にある精巣は、男性ホルモンと精子をつくる楕円形の臓器です。精巣は、母親の胎内にいるときに胎児の腹腔内でできて、その後下降して陰嚢のなかに収まります。停留精巣とは、陰嚢内の正しい位置まで下降せず途中で留まってしまった(停留した)状態のことをいいます。
また、きちんと陰嚢に収まったのに、それがしっかり固定されずに上方に移動しやすい状態を移動性精巣といい、これは定期的な経過観察のみで十分です。
精巣が正常に精子をつくりだすためには、比較的温度が低い陰嚢内に位置していることが必要です。停留精巣になると不妊、精巣捻転、精巣がんなどのリスクが高まるといわれています。
ただし、生まれたときに停留精巣が発見されても、3カ月で7割ほどが自然に下降して正常な位置に収まるとの報告もあります。
原因
精巣を陰嚢に固定する靱帯(じんたい)の異常や、ホルモンバランスの異常などが原因ではないかといわれていますが、確かな原因はわかっていません。
症状
精巣が陰嚢に収まっていないということだけで、特別な症状はありません。

検査・診断
泌尿器科医や小児科医が視診や触診を行い、陰嚢を診察すれば、精巣が正常な位置にあるかどうかはすぐにわかります。適切な時期に治療を受けられるよう、停留精巣が疑われた場合は、速やかに泌尿器科や小児科の専門医の診察を受けることが勧められます。
治療
生後6カ月までは自然下降を期待して経過観察を行いますが、それ以降も下降しない場合は、遅くとも1~2歳までには手術を行うことが推奨されています。
おもな治療法は手術です。鼠径部、陰嚢などを切開して、停留している精巣を陰嚢内の正常な位置に収める手術が行われます。
セルフケア
病後
術後はとくに生活上の制限はありません。通園、通学も可能です。ただし、精巣が再び上昇したり、萎縮したりすることもあります。また将来的に、不妊や精巣捻転、精巣がんなどのリスクが高まるとの報告もありますので、医師の指示に従い、定期的な検査を受けることが大切です。
監修
なかむらそうクリニック 院長
中村聡