中咽頭がんちゅういんとうがん
最終編集日:2026/1/22
概要
鼻の奥から食道までの、飲食物と空気が通る部分を咽頭および喉頭といいます。咽頭は上から3つに分類され、その真ん中で、口の上部奥のやわらかい部分である軟口蓋(なんこうがい)から舌の付け根である舌根までの部位が「中咽頭」で、この部分にできたがんが中咽頭がんです。
中高年の男性に多くみられるがんです。咽頭の周囲にはリンパ節がたくさんあるため、リンパ節転移を起こしやすいことも特徴のひとつです。
原因
明確な発生原因はわかっていませんが、ヒトパピローマウイルス(HPV)が発症要因のひとつと考えられています。
また、喫煙と過度の飲酒なども発症にかかわっているのではないかといわれています。
症状
初期には口のなかの痛み、ただれ、出血などがあり、進行すると、ものを飲み込むときの痛みや違和感、口が開けづらい、舌を動かしにくい、耳に痛みが放散するなどが起こるほか、首やのど周辺にしこりなどが現れることもあります。
ただ、こうした症状に気がつかないケースもあり、頸部リンパ節への転移によって現れる首のしこりなどで発見されることもあります。

検査・診断
触診や、咽頭内をファイバースコープで検査することで診断できます。がんが疑われる場合は、組織を採取する生検が行われます。
さらに治療に役立てるため、がんの大きさやリンパ節および他臓器への転移などを調べるCT検査、MRI検査、超音波検査、PET検査などが行われます。
治療
初期に発見された場合はおもに外科的治療による切除やレーザーによる患部の切除、あるいは放射線療法が行われます。
進行がんの場合は、術前に抗がん剤治療(化学療法)を行い、がんを小さくしてから腫瘍摘出やリンパ節郭清術などの外科手術が行われる場合があります。術後には症状に応じて抗がん剤治療や放射線療法が行われます。
また、中咽頭がんの治療では飲み込む機能や発声機能を残すことも、がんの治療とともに重要視されています。
セルフケア
療養中
治療の効果を高めるため、および再発を防ぐために、禁煙とできるだけ飲酒を控えることが推奨されています。
予防
口腔内の不潔な状況がリスクを高める要因のひとつと考えられているので、日頃から口腔ケアに気を配ることが重要です。食後や就寝前の歯みがき、うがい、こまめな水分補給などで口腔内を清潔に保ちましょう。定期的に歯科検診を行うことも大切です。
監修
栃木医療センター 耳鼻咽喉科
小島敬史